徳岡プリムールの歴史
株式会社徳岡のプリムールヒストリー。
ワイン商の先駆者として、ワイン文化ごと日本に届けたい。
ボルドーでのプリムールビジネスをスタートさせたのは今から約30年前です。当時、日本の市場ではボルドーワインはまだよく知られていませんでした。そのため価格も今では考えられないほど安く、シャトー マルゴーなどのトップシャトーで200フラン程度、当時まだ通貨はフランでしたので、1フラン20円として日本円で4,000円くらいでした。マルゴー村の格付け2級のシャトー ローザン セグラも80フランくらいで2,000円しませんでした。そのシャトー ローザン セグラを1コンテナー買ったものですから、まだ日本人もまばらなボルドーではちょっとした有名人になったようです。
今でもボルドーを訪ねるたびに「ミスター トクオカはレジェンドだ」と言われるのは気恥ずかしくもあり、うれしくもあります。その後ブランクがあり、ボルドープリムールには1998年に再参入します。
そしてそれから今年で20年になります。
日本唯一の試飲会を開催。プリムールの臨場感ごと提供したい。
さて、ボルドープリムールワイン試飲会の話をしましょう。
ボルドープリムールワイン試飲会を日本で開催し始めてから今年で12回目です。
現地ボルドーでの試飲会には毎年参加してきましたが、あるとき「この試飲会を日本で開催できないか。」と思いました。
シャトーの蔵や施設内で試飲を行うこともありますが、シャトーの外の施設にたくさんのワインを集め、一度に試飲することもあるのです。シャトーの外に持ち出せるなら、日本にも持ち出せないかというのが最初の思いつきでした。
しかし、1万キロも離れた日本まで、まだ樽で熟成中であるワインを運び出すにはさまざまな困難と課題がありました。微妙な温度変化でもワインには影響があるものです。シャトー内で樽から瓶に詰める日、集荷、フライト、通関など綿密な打ち合わせをしました。また最初のうちは懇意にしているネゴシアンのジュネステやシャトー ヴァランドローの当主ジャンリュック・テュヌヴァン氏が品質チェックをするためにわたしたちの試飲会に合せて来日してくれていました。このような無理難題を一緒に乗り越えてくれたおかげで、今では厚い信頼関係が確立されています。そしてこのようなボルドーワインに対する継続的な取り組みのおかげで、シャトー マルゴーをはじめとするトップシャトーとの太いパイプラインが今でも保たれています。
そして日本のお客様に、ボルドーワインや臨場感あるプリムールワインをお届けできることが、我々の喜びであり誇りでもあります。
HISTORY
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1983
- ワインの輸入業を開始
- 三洋電機貿易株式会社(三洋電機(現パナソニック株式会社の子会社)の貿易会社)と提携し、ワイン輸入業務を開始。株式会社徳岡60%、三洋電機貿易株式会社40%の資本比率で「三洋洋酒販売株式会社」を設立。
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1985
- ルイ・エシェノワ(仏)と日本における代理店契約を締結
- ルイ エシェノアをはじめとするボルドーブランド、シャトー オリビエ、シャトー ラガルドなどの販売をスタート。
- ボルドー トップシャトーとの代理店契約を続々と締結
- ルイ エシェノアが所有していたシャトー ローザンセグラ、シャトー スミス オー ラフィットとの代理店契約を結ぶ。
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1987
- シャトー ローザン セグラが1987年の生産を取り止める
- シャトー ローザン セグラは1987年産のカベルネ ソーヴィニヨンの品質が基準に満たなかったため生産中止の英断をする。
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1989
- 5月 ボルドー プリムールビジネスに参入
- プリムールビジネスに参入。1988年産ボルドーは平年以上の作柄となり、シャトー ローザン セグラを100ケース、シャトー スミス オー ラフィットの赤と白を50ケースずつ買い付ける。
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1990
- 5月 ボルドー トップシャトーの1989年を大量に購入
- シャトー ローザン セグラを800ケース(1コンテナー)、その他シャトー マルゴー、シャトー ラトゥール、シャトー ラフィット ロートシルトなど、トップシャトーも合計300ケースを買い付ける。
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1991
- 5月 前年に引き続き購入
- 1990年はさらに秀逸であったため、トップシャトーをはじめシャトー ローザン セグラ、シャトー スミス オー ラフィットなど1000ケースを買い付ける。
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1994
- シャトー ローザン セグラをシャネルが買収
- ルイエシェノアが保有シャトーを売却、有名服飾ブランドのシャネルにはシャトー ローザン セグラを売却。
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1995
- 三洋電機貿易との提携が終了
- 三洋電機貿易株式会社の事情により提携が終了。独自に輸入ビジネスの運営を開始する。
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1995
- ボルドー プリムールビジネスから一時撤退
- ボルドーネゴシアンの勢力図に変動があり、プリムールワインのアロケーション(割り当て数)が減少傾向に。
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1998
- ボルドー プリムールビジネスに再参入
- CVBG、ジュネステ、ジャンリュック・テュヌヴァン氏など、新たなネゴシアンからのアロケーション(割り当て)にて、プリムールビジネスを再稼働させる。
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2003
- シャトー ラトゥールの試飲会を大阪で開催
- 日航ホテル大阪にて、シャトー ラトゥールの試飲会を開催、注目を浴びる。
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2004
- プリムール試飲会の日本開催を交渉開始
- 前代未聞、ボルドーやヨーロッパ内を飛び出し、1万キロ離れた日本での試飲会の実現に向け交渉を開始する。
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2006
- 第1回プリムール試飲会を開催(東京・大阪)
- ボルドーの23ものシャトーの協力を得て、大阪と東京でボルドープリムール試飲会を開催。シャトー ヴァランドロー当主のジャンリュック・テュヌヴァン氏やジュネステの全面協力を得て大成功を果たす。
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2009
- シャトー マルゴー試飲会と晩餐会を開催(東京・京都)
- シャトー マルゴー総支配人ポール・ポンタリエ氏(享年2016年)の指揮のもと、東京と京都において晩さん会と試飲会を開催する。
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2011
- 11月 シャトー マルゴー「東北震災・福島原発復興支援チャリティイベント」を開催
- シャトー マルゴー総支配人ボール・ポンタリエ氏の協力を得て、エノテカ株式会社、株式会社ファインズ、RSN Japan株式会社との共催で、東北震災・福島原発事故復興支援イベントを開催。シャトー マルゴーは同ワインの1868年をオークションに提供、250万円で落札される。イベントでの義捐金の総額は1350万円にもなり、当社の義捐金を合わせ2800万円を福島県内各市に贈る。
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2012
- 6月 社員旅行でボルドーへ、名だたるグランシャトーを訪問
- ワイン好きな社員が多い当社が2012年に催した社員旅行先はボルドー。名だたるシャトーを訪問、いずれのシャトーからも歓待を受けたのは長年続くボルドーでの取り組み、プリムールビジネスがあったからこそ。