2022年の動向

2022年の動向


冷涼で乾燥した冬から暖かい春に変わり、発芽はやや遅く霜害から逃れた理想的な条件のもと、5月中旬に早い開花となった。

5月から暑く乾燥した生育期となり、降水量は場所によって異なったが、ほとんどのエリアで非常に少なく、早い時期(6月中旬)から強い水分ストレスを観測した。
ブドウ樹は少ない水量に適応するため、より控えめな生育期を経た。側枝の発生を抑えた7月から8月にかけて3度にわたり熱波が襲い、最高で摂氏 41 度という記録的な猛暑により収穫はかなり早かった。


ワインのスタイルは総じて力強く、凝縮感があり、果実味は豊かであるが、それは重厚で鈍重な味わいを意味するのではなく、フレッシュさと精密さを伴っており、滑らかで口当たりがよく、緻密で気品な味わいとなっている。アルコール度数は全体的に高く、pH レベルも低くはないが、なんといってもポリフェノールの成熟度が高く、タンニンが極めて上質であり、全体として素晴らしくまとまりがあり、重苦しさを感じさせない。


2022 年は 2021 年に続き特別なヴィンテージになった。それは、単純に天候だけでヴィンテージを語ることができない年であり、人の知恵とブドウ樹の経験が過酷な気象条件を超越しうることが証明された年となった。

「出展)TWINS BORDEAUによるヴィンテージレポート」